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有給・労務

有給休暇管理簿の作成義務、介護事業所が押さえる年5日達成の記録実務

介護事業所の管理者や事務担当の方から「有給休暇は年5日取得させていれば大丈夫」という声をよく聞きます。ですが法律が求めているのはそれだけではありません。誰が・いつ・何日、有給休暇を取得したかを記録した「有給休暇管理簿」を作成し、保存しておくことも事業主の義務です。実地指導や労働基準監督署の調査で「有給休暇の管理簿を見せてください」と言われて慌てた、という声も現場では珍しくありません。今回は、この管理簿の作成義務の中身と、シフト制の介護現場で特につまずきやすいポイント、日々の勤怠データでどう備えるかを整理します。

有給休暇管理簿とは何か、何が義務なのか

年次有給休暇管理簿の作成・保存義務は、労働基準法施行規則第24条の7に定められています。対象になるのは、年10日以上の有給休暇が付与されている労働者です。介護事業所であれば、常勤の介護職員はもちろん、勤続年数や所定労働日数によっては非常勤・パート職員も対象に含まれます。

管理簿に記載すべき項目は次の3つです。

  • 基準日(有給休暇の権利が発生した日。入社日から半年後などが目安で、第一基準日・第二基準日として複数管理が必要になる場合もあります)
  • 日数(実際に取得した有給休暇の日数)
  • 時季(いつ有給休暇を取得したか、具体的な日付)

保存期間は、有給休暇を与えた期間中および満了後5年間が原則です。ただし2020年の労基法改正に伴う経過措置として、当分の間は3年間の保存でも差し支えないとされています。なお、管理簿を作成していないこと自体に直接の罰則はありませんが、年10日以上付与されている労働者について年5日の取得ができていない場合は、労働基準法違反として30万円以下の罰金の対象になり得ます(厚生労働省・年次有給休暇取得促進特設サイト、労働基準法第39条・第120条)。管理簿は、この年5日義務を果たせているかを事業所自身が確認するための土台でもあります。

なぜ介護現場では管理が煩雑になりやすいのか

介護事業所での有給管理が難しくなる理由は、主に3つあります。

第一に、シフト制であることです。夜勤・早番・遅番が組み合わさる中で、誰がいつ有給を取得したかを紙のシフト表や個人のメモだけで正確に追い続けるのは負担が大きくなります。

第二に、職員ごとに入社日が異なるため、基準日がバラバラになることです。全職員を一律の基準日で管理できないと、「この職員はいつまでに年5日を消化させる必要があるのか」を個別に把握し続けなければなりません。

第三に、常勤・非常勤・登録ヘルパーなど雇用形態が混在しやすく、誰が年10日以上の付与対象になるのかの判定自体が煩雑になりがちなことです。判定を誤ると、対象者を管理簿から漏らしてしまうリスクもあります。

こうした状態のまま実地指導や監督署の調査を迎えると、勤務形態一覧表と合わせて有給の記録も確認を求められ、その場で正確な資料を出せずに指摘を受けるケースもあります。

絆太郎での対応、日々の記録がそのまま備えになる

絆太郎では、有給・希望休管理の機能で職員ごとの残日数を自動計算し、年5日の達成状況も一覧で確認できます。基準日は職員ごとに異なりますが、個別に登録した内容にもとづいて自動で計算されるため、入社日がバラバラな職員が多い介護現場でも、誰の基準日がいつで、あと何日取得が必要かを個別に追いかける手間が減ります。

また、コックピット機能では出勤状況や打刻エラーの検知に加えて、有給消化率をKPIとして事業所全体で把握できます。管理者が日々の打刻・申請データを確認する中で、有給休暇管理簿に必要な「時季」「日数」「基準日」の情報が自然に積み上がっていく形になるため、実地指導や調査の際にも慌てず状況を説明しやすくなります。複数事業所を運営している場合も、1画面で各拠点の消化状況を横断的に確認できます。

まとめ

有給休暇は「年5日取得させる」ことだけでなく、時季・日数・基準日を記録した管理簿の作成・保存も事業主の義務です。シフト制で入社日がバラバラな介護現場ほど、基準日ごとの個別管理は煩雑になりやすく、記録の不備は実地指導での指摘にもつながります。日々の勤怠データを有給管理と連動させておくことが、法対応と現場の負担軽減の両方につながります。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。自社の現場で使うために生まれた勤怠・シフト管理システム「絆太郎」の開発と、本ブログ記事の監修を行っています。

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