介護の有給年5日、半年時点の点検で時季指定を確実に|管理簿と罰則の要点
「有給は取っていいと言っているのに、年度の終盤になって5日に届いていない職員が何人もいる」。人手がぎりぎりの介護現場では、こうした状況が起きやすいものです。年5日の取得義務は、期限が迫ってからでは対応の選択肢が限られます。この記事では、厚生労働省の資料にもとづき、半年を過ぎたこの時期に点検して時季指定につなげる流れを整理します。
年5日義務の対象と、見落としやすい点
年次有給休暇が年10日以上付与される職員は、付与日(基準日)から1年以内に、5日以上の年休を取得させる義務があります(労働基準法39条7項)。対象にはパート・有期雇用の職員も含まれ、管理監督者も対象です。
見落としやすいのは次の3点です。
- 職員が自分で請求して取得した日数や、計画年休で取得した日数は、5日から差し引かれます
- すでに5日以上取得している職員には、使用者が時季指定をする必要はなく、することもできません
- 基準日は入職時期によって職員ごとに異なるため、「全員一斉の年度末」では管理できません
出典:厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」、厚生労働省「年次有給休暇の時季指定」
時季指定の手順:意見聴取と管理簿、罰則
取得が5日に届いていない職員には、使用者が時季を指定して取得させます。厚労省の資料では、次の点が示されています。
- 意見聴取:時季を指定する前に、年休を与えることを職員に明らかにしたうえで、取得時季についての意見を聴きます。聴き方は面談、取得計画表、メール、システムなど、方法は問われません。聴いた意見は、できる限り尊重するよう努めます。
- 就業規則への記載:時季指定を行う場合は、就業規則に記載する必要があります。
- 年次有給休暇管理簿:職員ごとに、時季・日数・基準日を記載した管理簿を作成し、保存します。保存期間は、当該年休を与えた期間の満了後3年間とされています。
- 罰則:年5日を取得させなかった場合は、30万円以下の罰金の対象になります。罰則は、違反した職員1人につき1罪として扱われます。
厚労省の資料には、半年経過時点で取得日数が5日未満の職員に、使用者から時季を指定する方法も、実務上の工夫として紹介されています。つまり、基準日から半年が過ぎた時点で「取得が5日未満の職員は誰か」を確認することが、最初の一手になります。
半年点検を現場で回すには
介護の現場では、希望休が重なる月や欠員が出た月に、有給の申請が後回しになりがちです。点検を「年度末にまとめて」ではなく、次のように小さく分けると、無理なく進められます。
- 基準日から半年が近い職員を月初に洗い出す
- 取得が5日未満の職員に、希望日を聞く(意見聴取)
- 希望日をシフトに反映し、配置基準や人員が足りるかを確認する
- 指定した日と、聞き取った内容を記録に残す
ここで手間になるのが、職員ごとに異なる基準日と残日数の把握、そしてシフトとの突き合わせです。紙や表計算ソフトで管理していると、点検そのものが後回しになりがちです。
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- 有給・希望休管理:残日数を自動計算し、年5日の達成状況を確認できます
- コックピット:事業所全体の有給消化率をKPIとして見られるため、取得が進んでいない状況に早めに気づけます
- LINEでの各種申請:職員がスマートフォンから有給を申請できるため、「言い出しにくい」「紙を出し忘れた」という理由での先延ばしを減らせます
- AIシフト自動生成:配置基準・希望休・夜勤や連続勤務の制限を考慮したうえでシフトの下書きを作るため、有給を入れたあとの組み直しの負担を抑えられます
まとめ
- 年5日の取得義務は、基準日から1年以内に、職員ごとに判断する必要があります
- 未達の職員には、意見を聴いたうえで使用者が時季を指定します。管理簿の作成・保存も必要です
- 半年経過時点で5日未満の職員を確認することが、期限前に慌てないための最初の一手です
- 残日数と達成状況を一覧で確認できる仕組みがあると、点検が続けやすくなります
まずは、今月の基準日から半年が近い職員が何人いるかを確認してみてください。
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