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有給・労務

介護職員の退職代行利用が増加、勤怠データで前兆をつかみ定着へつなげる方法

「退職代行の者ですが、本日付で退職させていただきます」——ある日突然かかってくる一本の電話に、身構えたことはありませんか。ただでさえ人手が足りない介護現場にとって、一人の離職は明日からのシフトに直撃します。しかも近年は、退職の申し出そのものが「本人ではなく代行業者から」というケースが珍しくなくなってきました。突然の退職をゼロにすることは難しくても、日頃の勤怠データを見ていれば「辞めたいサイン」に早めに気づき、円満な引き継ぎにつなげることはできます。今回は、退職代行の利用実態と、日々の労務管理でできる予防・対応策を解説します。

退職代行の利用は、もはや一部の話ではない

パーソル総合研究所が2025年12月2日に発表した「離職の変化と退職代行に関する定量調査」によると、離職者の5.1%、つまり20人に1人が退職代行サービスを利用して退職しています。年代別では20代の利用率が特に高い傾向も示されており、若手層ほど「直接言いづらい」退職を代行に頼る傾向がうかがえます。(出典:パーソル総合研究所)

介護業界に目を向けると、公益財団法人介護労働安定センターの「令和6年度介護労働実態調査」では、介護職員全体の離職率は12.8%と2年連続で低下し、過去最低を更新しました。一方で29歳以下の層に限ると18.7%と、全体平均を6ポイント以上も上回っています。訪問介護員の離職率も11.4%あり、人の入れ替わりが激しい状況は変わっていません。(出典:介護労働安定センター「介護労働実態調査」)

若手職員の比率が高い事業所ほど、「うちに限って」ではなく、突然の退職連絡に直面するリスクは常にあると捉えておく必要があります。

なぜ「突然」に見えてしまうのか、見えていないだけの前兆

退職代行を使う職員の多くは、「直接言い出しにくい」「もう話し合っても状況は変わらない」と感じている状態です。ただ、退職を決意するまでの過程では、次のような変化が勤怠データにすでに表れていることが少なくありません。

  • 有給休暇の消化が急に増える、あるいは逆にまったく取らなくなる
  • 遅刻・早退・欠勤が目立つようになる
  • 打刻忘れや打刻修正申請が増える
  • シフト希望・休み希望の出し方が消極的になる

一つひとつは些細な変化でも、日々の業務に追われる管理者は見落としがちです。なお、期間の定めのない雇用契約であれば、労働者は民法上、退職の意思を伝えてから原則2週間で退職できます。事業所側に強い引き止めの権限はありません。だからこそ「辞めると決まってから」ではなく、その手前の違和感の段階でどれだけ気づけるかが分かれ目になります。

勤怠データを「人材定着」の武器にする

絆太郎は、打刻や申請の記録を残すだけの道具ではありません。コックピット機能では、出勤状況・打刻エラー・承認待ち・有給消化率をKPIとして1画面で把握でき、「最近打刻の乱れが増えた職員」「有給消化率が急に変化した職員」に管理者自身が気づきやすくなります。

さらに、目標管理・月次振り返り機能を使えば、勤怠データの変化をきっかけに定期的な面談・振り返りの機会を仕組みとして設けられ、「話しにくい」空気を溜め込ませない土壌づくりにつながります。誕生日・入社記念日の自動祝い機能も、日頃のちょっとした承認や感謝を伝える接点として、地道な定着策のひとつです。

それでも残念ながら退職に至った場合には、実務経験証明書の自動計算や、LINEでの各種申請機能が事務担当者の負担を抑え、円満な引き継ぎを後押しします。突然の申し出であっても、有給消化日数や勤務実績の記録が日頃から整っていれば、慌てて過去の紙の記録をさかのぼる必要はありません。

まとめ

退職代行の利用拡大は、介護業界に限った現象ではありません。しかし、若手職員の離職率が高い介護現場ほど、他人事とは言えないのが実情です。「辞めたい」のサインは、多くの場合すでに勤怠データの中に表れています。日々の打刻・有給・面談記録を仕組みとして見える化しておくことこそ、遠回りに見えて最も現実的な定着策です。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。自社の現場で使うために生まれた勤怠・シフト管理システム「絆太郎」の開発と、本ブログ記事の監修を行っています。

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