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有給・労務

処遇改善加算のキャリアパス要件、昇給の仕組みで介護職員の定着力を高める

「求人を出しても応募が来ない」「せっかく採用しても半年ともたずに辞めてしまう」——介護事業所の経営者・施設長から、日々よく聞くお悩みです。国は処遇改善加算で介護従事者の賃上げを後押ししていますが、加算を算定しているはずなのに定着率が上がらない事業所は少なくありません。原因の多くは、加算という「原資」が、職員一人ひとりにとっての「昇給の仕組み」として見える形になっていないことにあります。今回は、処遇改善加算の「キャリアパス要件」を賃金表に落とし込み、定着力を高める実務のポイントを解説します。

なぜ「加算はもらっているのに辞められる」が起きるのか

処遇改善加算を算定していても、賃上げの実感が職員に伝わっていない事業所は珍しくありません。よくあるつまずきは次の3つです。

  • 加算の入金は事業所全体の収支として処理されるだけで、「誰が」「何を達成すれば」「いくら上がるのか」という個人の道筋が示されていない
  • 特に、非正規から正社員登用を目指す職員や、資格取得を目指す若手ほど、数年後の賃金の伸びが見えないと将来を悲観して転職を検討しやすい
  • 就業規則や賃金規程には要件が明文化されていても、現場のミーティングや面談で説明される機会がなく、書類の上だけで完結している

賃上げの原資があっても、それが「見える仕組み」になっていなければ定着にはつながりません。

処遇改善加算の「キャリアパス要件」と2026年6月の改定

処遇改善加算の算定要件の一つに、キャリアパス要件があります。大枠は次の3つです。

  • 要件I:資格・経験・技能等に応じた任用要件と賃金体系を定め、就業規則等に明文化したうえで全職員に周知していること
  • 要件II:資質向上の計画に基づき、研修の実施または研修の機会を確保していること
  • 要件III:経験・技能のある職員について、一定の賃金額または一定の割合以上の昇給を設定するなどの取組を行っていること

いずれも「賃金体系を作って終わり」ではなく、実態を伴って運用し続けることが求められます。

さらに2026年6月からの介護報酬改定では、処遇改善加算が新体系へ移行し、対象が「介護職員」中心から「介護従事者」全体へ拡大されるとともに、幅広い対象者に月1.0万円(3.3%)の賃上げを実現する措置が取られます。加えて、生産性向上や協働化に取り組む事業所では、介護職員を対象に月0.7万円(2.4%)の上乗せ措置も設けられます(出典:厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1474」令和8年3月、https://www.mhlw.go.jp/content/001666256.pdf)。

原資が拡大するこのタイミングこそ、賃金表・昇給ルールを見直し、職員に説明し直す好機だといえます。

絆太郎で賃金表を「見える化」し、定着につなげる

キャリアパス要件を実態のある仕組みとして運用するには、日々の勤怠・勤務実態のデータが土台になります。

  • 常勤換算・勤務形態一覧表の自動集計:キャリアパス要件で示す任用実態や勤続年数の裏付けを、いつでも正確な数字で提示できます
  • 実務経験証明書の自動計算:資格取得に必要な実務経験日数を打刻データから自動集計。資格取得支援と昇給の道筋をセットで職員に説明しやすくなります
  • 目標管理・月次振り返り:賃金表と連動した個人目標を月次で振り返る場をつくり、「今何をすれば次の昇給につながるか」を上司と職員が一緒に確認できます
  • 誕生日・入社記念日の自動祝い:節目のタイミングでLINE通知が届き、面談や評価の声かけを忘れず行うきっかけになります

制度上の要件を満たすための「書類仕事」ではなく、日々の勤怠データを賃金表の運用に結びつけることが、職員の納得感を生みます。

まとめ

処遇改善加算のキャリアパス要件は、賃金規程を作るだけで終わらせてしまうと、定着にはつながりません。2026年6月の改定で原資が広がるいまこそ、「誰が」「何を達成すれば」「いくら上がるのか」を、勤怠・勤務実態のデータとともに職員へ見える形で示すことが、人材定着の近道です。絆太郎の勤怠データを土台に、昇給の道筋を職員と一緒に「見える化」してみませんか。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。自社の現場で使うために生まれた勤怠・シフト管理システム「絆太郎」の開発と、本ブログ記事の監修を行っています。

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