介護事業所が有給休暇の年5日義務を「計画的付与」で無理なく満たす方法
「有給休暇の時季指定、また今月も後回しになってしまった」——シフトが日々変わる介護現場では、職員一人ひとりに「いつ休みますか」と個別に声をかけ、年5日の取得を管理するだけでも一苦労です。夜勤や早番・遅番が入り乱れる中で時季指定のタイミングを逃し、気づけば基準日が近づいている、という管理者の方も多いのではないでしょうか。今回は、シフト制の介護現場でも無理なく年5日を達成できる「計画的付与制度」と、勤怠データを使った実務対応を整理します。
シフト制だからこそ、個別の時季指定が負担になる
労働基準法により、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者には、年5日について事業所側が時季を指定して取得させる義務があります。本人の希望を聞かずに一方的に決めることはできず、基準日から1年以内に、労働者ごとに取得時季を確認しながら進める必要があります。
しかし介護現場では、月ごとにシフトが組み替わり、夜勤明けや連続勤務の調整も絡むため、「誰が」「いつ」有給を消化できているかを個別に把握し続けるのは、紙やExcelの台帳では現実的に難しいのが実情です。結果として基準日直前にまとめて時季指定を行うことになり、シフトの穴埋めに追われる事業所も少なくありません。
計画的付与制度なら、シフトに組み込んで年5日を確保できる
そこで検討したいのが「年次有給休暇の計画的付与制度」です。厚生労働省の解説によると、これは労使協定を結ぶことで、有給休暇のうち本人が自由に使える5日を除いた残りの日数について、事業所側があらかじめ取得日を計画的に割り振れる制度です(厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」)。
介護事業所であれば、個人別付与方式(誕生月や入社月に合わせて1〜2日ずつ計画付与)や、グループ別付与方式(ユニット・フロア単位で交代しながら計画付与)と相性が良く、シフト作成の段階から有給取得日を織り込めるため、直前の「誰か休んで大丈夫か」という調整に追われにくくなります。労使協定の締結にあたっては、対象者・付与日数・付与日の決め方を明確にしておく必要があり、詳細な進め方は労働局の資料も参考になります(三重労働局「年次有給休暇の計画的付与制度について」)。なお、年5日の取得義務に違反した場合は、対象労働者1人につき30万円以下の罰金の対象となり得る点にも注意が必要です。
絆太郎なら、有給の残日数と年5日の達成状況を自動で見える化
計画的付与を導入しても、「誰が」「あと何日」取得すればよいかを事業所側が把握できていなければ、シフトへの組み込みは進みません。絆太郎では、職員ごとの有給残日数を自動計算し、コックピット画面で年5日の達成状況をKPIとして一覧表示できます。基準日が近い職員や消化が遅れている職員がひと目で分かるため、計画的付与の対象者選定や、個別の時季指定が必要な職員の洗い出しがスムーズになります。
さらにAIシフト機能は、配置基準や希望休、夜勤・連続勤務の制限を考慮しながらシフトを自動生成するため、計画的付与で決めた有給取得日をあらかじめシフトに反映させることも可能です。有給申請や希望休の提出もLINEで完結するため、職員側の手間も増えません。「制度は分かったが管理が続かない」という介護現場ならではの悩みに、日々の勤怠データという実務の土台から対応します。
まとめ
シフト制の介護現場で年5日の有給取得義務に対応するには、基準日直前の個別調整に頼るのではなく、計画的付与制度を使ってあらかじめシフトに組み込んでおくことが有効です。そのためには、職員ごとの有給消化状況を事業所側が常に把握できている状態が欠かせません。制度の導入とあわせて、勤怠データの見える化から見直してみてはいかがでしょうか。
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