介護休暇と介護休業は別物?2025年義務化の周知漏れを勤怠管理で防ぐ
「有給休暇の年5日取得義務」は把握していても、「介護休暇」と「介護休業」の違いまで正確に説明できる管理者は、実はそれほど多くありません。しかも介護事業所は、他業種以上にこの制度と向き合う場面が多い職場です。ご自身のスタッフが「親の介護」で働き方を変えざるを得なくなる、というケースが日常的に起こり得るからです。人手不足が続く中で、この対応を誤ると「介護離職」という形で貴重な人材を失いかねません。今日は、2025年4月に施行された育児・介護休業法の改正点を整理しながら、事業所の勤怠・労務管理でどう備えるかをお伝えします。
「介護休暇」と「介護休業」、混同していませんか
まず整理したいのが、名前が似ている2つの制度の違いです。
介護休暇は、要介護状態の家族の通院付き添いや手続きなど、日常的な世話のための短期の休みです。対象家族が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日まで取得でき、2021年1月の法改正により1日単位・半日単位に加えて時間単位での取得も可能になっています(厚生労働省「介護休業制度特設サイト」)。
一方介護休業は、家族の介護体制を整えるためのまとまった休業で、対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できます(厚生労働省 資料)。
年次有給休暇の「年5日取得義務」とは対象も日数の性質もまったく異なる制度ですが、名称が似ているために現場で混同されがちです。勤怠管理上も、この3つ(有給休暇・介護休暇・介護休業)は別々の区分として記録・管理する必要があります。
2025年4月施行、介護離職防止は「事業主の義務」になった
2025年4月1日、育児・介護休業法の改正により、介護離職防止に向けた措置が事業主の義務として明文化されました。主なポイントは次の3つです(厚生労働省 資料PDF、独立行政法人福祉医療機構 解説ページ)。
- 個別周知・意向確認:従業員から「介護に直面した」旨の申し出があった場合、介護休業や介護両立支援制度の内容を個別に知らせ、利用意向を確認すること
- 早期の情報提供:従業員が40歳に達する年度に、介護休業制度等について情報提供を行うこと
- 雇用環境の整備:研修の実施、相談窓口の設置、事例の収集・提供、利用促進方針の周知のいずれかを講じること
これまでは「申し出があれば対応する」という受け身の運用でも大きな問題にはなりませんでしたが、今後は「知らせる義務」「確認する義務」を事業所側が能動的に果たす必要があります。対象者への周知が漏れれば、法令未対応という指摘を受けるリスクにもつながります。
事業所の勤怠管理で、何をどう対応すればよいか
制度を理解しても、日々の運用に落とし込めなければ意味がありません。介護事業所として実務レベルで押さえておきたいのは次の点です。
まず、介護休暇・介護休業の申請を有給休暇と混同しない形で受け付ける仕組みが必要です。絆太郎ではLINEから各種申請ができるため、介護休暇・介護休業の申請も有給休暇とは別の申請項目として受け付け、コックピット画面で承認待ちの状況をまとめて確認できます。夜勤や交代制のシフトが前提の介護現場でも、紙の申請書を待たずにその場で申請・承認が完結します。
次に、40歳到達時の情報提供や研修実施のタイミングを「うっかり忘れる」ことがないようにする仕組みも重要です。絆太郎の行事カレンダー+リマインド機能を使えば、事業所内での周知・研修のスケジュールを事前に登録し、抜け漏れなく実施時期を管理できます。あわせてLINE一斉送信機能を使えば、相談窓口の案内や制度説明を全スタッフへ一度に届けることも可能です。
複数の事業所を運営している法人であれば、絆太郎の複数事業所を1画面で統括できる機能を使うことで、拠点ごとに対応がバラつくことも防げます。介護保険サービスの一利用者としてではなく、自社スタッフの労務対応としてこの改正に向き合う視点が、これからの人材確保には欠かせません。
まとめ
介護休暇と介護休業は、名前は似ていても対象日数も性質も異なる別の制度です。そのうえで2025年4月からは、介護に直面した従業員への個別周知・意向確認、40歳到達時の情報提供、雇用環境の整備が事業主の義務になりました。介護現場で働くスタッフ自身が家族の介護に直面する可能性は決して低くありません。制度の理解にとどまらず、申請の受け皿づくりや周知タイミングの管理まで、勤怠・労務の仕組みとして整えておくことが、介護離職の防止と人材の定着につながります。
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