介護の人件費率を労務の視点で分解、残業・欠員・有給を勤怠データで見える化
「人件費率が高い」と分かっていても、何から手をつければよいのか。賃金を下げるわけにはいかず、人も足りない。そんなジレンマを抱える経営者・施設長の方は多いと思います。
人件費率(収益に占める人件費の割合)は、賃金水準だけで決まるものではありません。日々のシフトや勤怠の積み重ねでも動きます。この記事では、人件費率を「労務コスト」に分解して見る考え方と、勤怠データで早めに気づく方法を整理します。
経営の数字は「月末の結果」でしか見えにくい
福祉医療機構の経営サポートセンター リサーチ(2025年3月21日付)をはじめ、介護事業の経営分析では、赤字の事業所ほど人件費率や経費率が高い傾向が示されています。賃上げと経営の持続性の両立が課題、という点は多くの事業所に共通しているはずです。
一方で、人件費率は決算や月次の試算表で初めて分かることがほとんどです。数字を見た時点では、原因となった残業や欠員対応はすでに過去の話になっています。
人件費率を押し上げる3つの労務要因
人件費率を労務の側から見ると、次の3つに分けて考えやすくなります。
- 残業・時間外の偏り:特定の職員や特定の曜日・時間帯に残業が集まっていないか。割増賃金の単価は、手当の増額などでも変わります。
- 欠員の穴埋め:急な欠勤や退職が出たとき、他の職員の残業や夜勤の追加で埋めていないか。人員基準を下回る状態が続けば、報酬の減算という別のリスクにもつながります。
- 有給休暇の取得の偏り:年5日の取得義務の期限間際に休みが集中すると、その月の人員が薄くなり、残業や応援に波及します。
どれも「賃金表」には出てこない要因ですが、勤怠データには毎日記録されています。
勤怠データを「月次の経営指標」として使う
大切なのは、月末にまとめて確認するのではなく、月の途中から数字を見られる状態にしておくことです。たとえば次のような確認を、定例の習慣にします。
- 出勤状況と打刻エラー、承認待ちの申請が溜まっていないか
- 有給の残日数と、年5日の達成状況に遅れが出ていないか
- 常勤換算が配置基準を満たせる見込みか
絆太郎では、コックピット(出勤状況・打刻エラー検知・承認待ち・有給消化率KPIをまとめた画面)で、これらを日々確認できます。有給・希望休管理では残日数が自動計算され、年5日の達成状況も把握できます。常勤換算・勤務形態一覧表も自動集計されるため、月末に表計算ソフトで集計し直す手間を減らせます。
また、AIシフト自動生成は、配置基準・希望休・夜勤や連続勤務の制限を考慮してシフト案を作ります。シフト作成の段階で人員の穴や負担の偏りを減らすことが、結果として残業や穴埋めの抑制につながります。
複数の事業所を運営している場合は、複数事業所を1画面で統括できるため、拠点ごとの状況の違いを同じ見方で比べやすくなります。
今日からできる最初の一歩
いきなり仕組みを変える必要はありません。まずは、直近3か月分の勤怠を「残業」「欠員対応」「有給の取得時期」の3つの視点で見直し、人件費が動いた月の原因を振り返ってみてください。原因が分かれば、シフトの組み方や有給の計画付与など、打てる手が見えてきます。
まとめ
- 人件費率は賃金だけでなく、残業・欠員の穴埋め・有給の偏りでも動きます。
- 月末の結果ではなく、月の途中の勤怠データで早めに気づくことが重要です。
- 絆太郎のコックピットや自動集計は、介護現場を運営する会社が自分たちの運営のために作った仕組みで、確認の手間を減らすことを目的にしています。
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